【文豪紹介】幸田露伴~格調高い理想主義者~
『五重塔』を著し、尾崎紅葉と共に「紅露時代」と呼ばれるほど一世を風靡した幸田露伴。
格調高い文体で知られた彼は、理想主義者でもありました。
今回は、幸田露伴の人物像や代表作、思想に迫ります。
幸田露伴の凄さを分かりやすく。
まず、幸田露伴という人物について簡単にご紹介します。
露伴の特徴は以下のようなもの。
- 明治に活躍した作家
- 代表作は『五重塔』
- 漢文のような表現を使い、優れた文章力で知られた
- 尾崎紅葉とともに「紅露時代」と呼ばれた
- 第一回文化勲章受章
これらがよく知られた露伴の功績、および特徴です。
漢文的表現や文化勲章など、少しとっつきにくい印象を受けますね。
実際に文章は読みやすいとは言えませんし、内容も難しいのですが、その難解さの先には文学好きな人を魅了してやまないものがあります。
詳しく見ていきますので最後までお付き合いください。
幸田露伴の文学
幸田露伴は、言わずと知れた優れた作家です。
しかし、その難解さ、そして決して読みやすいとは言えない文体で、実際に読まれることは少ない作家でもあります。
同じ時代に活躍した森鴎外や夏目漱石が国語の教科書に掲載される常連であるのに対し、少し不遇な作家ですよね。
しかしその文学の才能は決して彼らに引けを取りません。
ここでは、露伴の文学に興味をもってもらうことを目標にして、彼の文学を紐解いていきます。
格調高い漢文体
露伴の作品の魅力そのものであり、同時に手に取り辛くしている最大の要因でもある彼の難解な文体。
紅露時代
代表作『五重塔』
幸田露伴の代表作『五重塔』。
明治時代に爆発的にヒットした小説であり、その美しい描写による文学的価値だけでなく、内容の面白さに関しても一級品です。
読書vs料理!!どっちがおすすめできる趣味なのか考察してみた!
どうも、大学生ブロガーの伊崎です。
今回のテーマはタイトルの通り、「読書と料理、どっちがおすすめなのか?」について考察してみた!です!!
趣味としてはどっちもかなりメジャーですし、実際に楽しんでいる人も多いはず。
僕も両方好きで、料理はTwitterにたびたび投稿して3000人ほどフォロワーもいますし、読書についても高校時代に夏目漱石の作品すべて読み終えるほどの読書好きでもあります。
ですので、両方の経験者として公平なジャッジができるはず。
あ、前もって言っておきますが、別にどっちが上とか下とか決めようという企画ではなく、比較してみることで両方の良さを再確認してみよう!という楽しい企画です。
そういう感じでゆる~く参加してもらえたらな、って思います。
趣味としての評価軸
読書と料理、どっちがいいのかを決めるうえで大切なルール決め。
評価軸として
- お手軽さ
- 経済的負担
- それ以外のポイント
の3要素、それぞれ持ち点5点ずつ、計15点で合計点を競います!
やっていて楽しいか、という点も加えようかと迷ったのですが、それは人によって異なりますからあえて外しています。
お手軽さ
趣味として最も大事な要素ともいえるお手軽さ。
サーフィンやスケート、海外旅行のような大がかりな趣味も悪くはないのですが、日常的な趣味としては少しおすすめしにくいですね。
やろうと思って簡単にやれるか、楽に続けていけるかというのは大切なことですから、これは大きな要素です。
ただし、次で経済面を比較するので、金銭的な手軽さにはここでは触れません。
読書の手軽さ
読書は数ある趣味のうち、最も手軽な趣味の一つではないでしょうか。
読もうと思えば本屋ですぐに買えるうえ、カフェでも新幹線の中でも、どこでも読めてしまいます。
また、朝の起き抜けの時間や夜寝る前など、時間を選ばないのもポイントです。
忙しい人でも続けていける趣味だと思います。
- 簡単に始められる
- 場所を選ばない
- 時間を選ばない
これは最高評価の5点でしょう。
料理の手軽さ
食事は毎日3回もするものですから、そういう意味では毎日が始めるきっかけとも言えます。一日3回も行う習慣なんて食事以外あまり思い浮かばないですよね。イスラム教徒の礼拝くらいですかね。
読書と違って道具が必要になってきますが、普段から料理をしていれば大抵既に家にあるはずです。
ですので、始めるのは簡単と言えそうです。
「毎日の料理は趣味なんていう余裕はない、ぶっちゃけ仕事だ」という主婦の声が聞こえてきそうですが、平日は時短の料理をして、休日など余裕のある時に料理を楽しむ、といった「実用の料理」と「趣味の料理」を分けて考えれば、十分楽しめそうですね。
普段料理をしない旦那さんなどは、休日に腕を振るって家族サービスをすれば奥さんやお子さんに喜んでもらえることもあるでしょう。
ただし、料理が苦手な人にとっては心理的ハードルがあるかもしれません。
勢い勇んで作った料理が全く美味しくなく、完食するのが苦痛だった、なんてことが続くと挫折しますよね。
また、時間と場所が固定されてしまうなど、読書と比べると自由度は低めです。
ということで、
- 毎日やるチャンスがある
- 道具は大体そろっている(はず)
- 家族と一緒に楽しめる
というメリットと、
- 心理的、技術的ハードルがあるかも
- (逆に)家族の理解を得る必要があるかも?
- 失敗することがある
というデメリットが存在するので
評価は4ということで。
経済的負担
全員がお金持ちならいいのですが...。
現実とは厳しいもので、我々には趣味に費やせる限界というものが存在します。
そう、経済的な負担はとっても大事な問題なんです。
お金の心配をしながら、なんて楽しめませんからね。
読書の経済負担
一般的な本の値段は文庫本で600円前後でしょうか。新書なら800円くらいになると思います。月に5~10冊ほど読むとして、月5000円くらいですね。趣味としては結構安上がりなのではないでしょうか。月10冊だと3日で1冊のペースですから、普通の社会人にしては結構ハイペースといえると思います。
もちろん月に10冊以上読む人や、数千円もする専門書を読む人はもっとお金がいるでしょう。でもそういう人は変態なので考えないことにします。ちなみに僕はこの間カントの『純粋理性批判』を9000円くらいで買いました...変態ですね、完全に。
逆に、安く済ませようと思ったら図書館を使う、という手もあります。
図書館ならほぼ0コストですし、図書館にない本は取り寄せてもらえるので問題ないでしょう。僕は結構貧しい家庭で育ったので、保育園のころから図書館で月10冊くらいは借りていた記憶があります。
- 結構読書しても月5000程度
- 図書館を利用すればさらにガッツリ抑えられる
という点から、読書の経済面での評価は4点です。
マイナス1点は、電子書籍でも紙の本でも、まとめて何冊か買うと3000円くらいは簡単に越えてしまうからです。
ランニングやストレッチなど、もっとお金のかからない趣味があることを考えると4点になりました。
料理の経済的負担
料理は趣味にしない場合でも食費はかかるので、「料理を趣味として楽しんだ場合の食費」ー「普段の食費」で計算し、差額分を「料理によってかかった経済的負担」とすることにします。
さて、料理の費用は結構幅が広いですよね。
某オリーブオ〇ル芸人のような豪華な料理を作ろうと思えば一食2000円くらい材料費だけでかかるでしょうし、拘って牛の赤ワイン煮込み等を作ると食材以外に光熱費もかかってしまいます。
ですが、平均を取ると一食1000円以下になるのではないでしょうか。
これが「食材を選べて、料理も楽しめる」ような無難な金額だと思います。
エビやパプリカ、牛のブロック肉など、普段はあまり手を出しにくいちょっと高い食材も選ぶようになると、どうしてもこのくらいになります。
こういう「非日常の料理」を週1~2回行うとして、月6000円くらいでしょうか。
もちろん美味しい節約料理を極めようという場合は普段の食費を下回り費用がマイナスになるでしょう。逆に、道具にも拘ろうとすれば高くつきます。
- 平均月6000円くらい
- 場合によっては節約になることも
という点を加味すると、意外にも費用面では読書と変わりませんね!
ということで、評価は4点です。
中間成績発表
さて、次の項目に行く前に、ここまでの審査の結果を一旦まとめてみたいと思います。
読書の合計ポイント
- お手軽さ:5点
- 経済面:4点
計 9点
料理の合計ポイント
- お手軽さ:4点
- 経済面:4点
計 8点
コメント
どちらもかなりの高評価ですが、紙一重で読書優勢ですかね。
やはり、読書の「いつでも、どこでも」は強みです。
僕は個人的には断然紙派ですが、近年の電子書籍の普及は読書にとっては追い風だと思います。
とはいえ、まだまだ勝負の行方は分かりません。
いよいよ最終項目に行ってみましょう!
その他の評価軸
お手軽さ、経済負担以外にも考慮すべき比較ポイントはあります。
やはりそれぞれにしかない良さというものがありますから、そこもちゃんと加点していきたいですね。
読書の加点評価
教養が身につく、という点はやっぱり評価すべきポイントですよね。
高学歴の人や高収入の人は読書家が多いと聞きますし、読書によってもたらされる恩恵は大きいです。
「趣味は読書なんですよ」といえば知的な印象を与えられますし、実際知識も付きます。
また、周りに本好きの人は必ず一人はいるはずですから、趣味が共有できるというのもポイント高いですよね。
Facebookなどで本好きが集まる読書イベントが頻繁に開催されていますし、「本」を中心に趣味仲間ができやすいというのはとってもいいと思います。
- 教養が身につく
- 本好きと趣味を共有できる
ということを考えると、4点をあげてもいいんじゃないかと思います。主観ですが。
料理の加点評価
料理ができるようになるとかなり実生活に恩恵がありますよね。
栄養バランスも取れるようになりますし、読書と被るのですが「食の教養」が身に付きます。
「食の教養」って何?と思われるかもしれませんが、食についての知識は人の在り方を変えます。料理をするようになれば自然と食に敬意を払うようになりますし、海外の食文化を知ることで国際交流の素養を養うことができます。もちろん、自国の食文化を学ぶのも大事なことです。
そんなことあるんかいな、と思われるかもしれませんが、僕が実際に感じていることです。
また、それ以外にも言及すべき料理のメリットがあります。
それは....
モテる
です。
いや、マジです。
男女限らずですよ、これ。
実際料理できると異性からの目が変わります。
大学の同級生や先輩からも料理の話題振られることが多いですし、バイト先のおばちゃ...お姉さんからも「ケーキ焼けるの?すごいね」と言われたことあります。
恋愛を制するものは人生を制す、と言いますし、これはかなりの高評価です。
ということで、評価は最高ランクの5点。文句なしッ
最終集計
長い闘いもようやく終わりました。
(ちなみにここまでで原稿用紙10枚分くらいです。)
さあ、いよいよ結果発表!!
読書の最終評価
- お手軽さ:5点
- 経済面:4点
- その他:4点
計13点
料理の最終評価
- お手軽さ:4点
- 経済面:4点
- その他:5点
計13点
最終評価の総論
なんと、両者互角!!
この勝負は引き分けとなりました。
お手軽さで読書が一歩リードしたかに見えたのですが、「モテる」という愛の暴力で料理も盛り返しました。
やはり、両方ともメジャーなだけに、甲乙つけがたい拮抗した実力を持っているということでしょう。
おや?「料理」の様子が...??
実況「えー、ここで速報です。『料理はモテる』と証言し、大幅な加点につながったこのブログの管理人・伊崎氏の発言について不正が確認されました。」
全米「ん?どういうこと??」
実況「伊崎氏は日常的に料理をしているにも関わらず、彼女ができないという事実が発覚したのです。」
実況「したがって、不正行為とみなし、この勝負は没収試合とします。」
Σ('Д')
まとめ
えー、こんな茶番に最後まで付き合って下さった皆様に感謝申し上げます。
そこかしこから「いや、どうせそんなオチだと思ったよ」とか「彼女できないのは...まあがんばれ」といった哀れみと落胆の声が聞こえてきそうです。
駆け出しブロガーということで、勘弁してください...
さて、最後になりましたが、読書も料理もどっちもやるのが一番おすすめです。
当たり前ですけどね。
どちらも人生をとっても豊かにしてくれるものですし、簡単に始められる割に終わりがない趣味でもあります。
このブログ「伊崎の快活日記。」は、読書と料理の2枚看板で活動している雑記ブログです。
宜しければぜひ他の記事も読んでみてくださいっ
・文学に関する記事
・ 料理に関する記事
二葉亭四迷の特徴を簡単に解説!名前の由来や代表作『浮雲』のあらすじも紹介!
ロシア文学に学び、小説『浮雲』を著したことで有名な二葉亭四迷。
その独特なペンネームも度々話題に上がりますね。
ペンネームの由来は「くたばってしまえ」?
まず真っ先に気になるのはその特別目を引く名前。
もちろんこれはペンネームで、本名ではありません。
二葉亭四迷の本名は「長谷川辰之助(はせがわたつのすけ)」です。
この名前の由来は坪内逍遥の名を借りて小説『浮雲』を出版したことに対する自信への罰と言われています。
たまに、「文学の道に進んだことに対して理解を示してくれなかった父への文句」という説明を見ますが、どうやら間違いのようですね。
(こんなデマを流されるなんて、お父さんもいい迷惑ですね。)
二葉亭四迷とはどんな作家なのか
最大の疑問が解決されたところで、いよいよ核心に進んでいきます。
二葉亭四迷という作家を簡単に説明するなら、
といったところでしょうか。
写実主義者としての二葉亭四迷と坪内逍遥
写実主義とは明治時代に、坪内逍遥と二葉亭四迷によって作られた文学の思想で、「ありのままの様子を文学にしよう」という考え方です。
それまでは勧善懲悪だとか、芸術的な表現(レトリック)に拘った作品が多かったのですが、明治の文明開化のころからそれらに固執しない作風が多く出回るようになりました。
代表作は『浮雲』
『浮雲』は二葉亭四迷の代表作として最も有名なものだと思います。
文章は確かに口語文で書かれており、同時期の他の作家と比較すれば多少読みやすいかもしれませんが、実際に本を開いてみるとなかなかの難易度です。
読もうと思えば読めないことはありませんが、予備知識があったほうが楽でしょう。
内容などをさっくりと紹介していきますのでご覧ください。
『浮雲』:あらすじ
明治の文明開化の頃のお話です。
お役所勤めの主人公・内海文三が免職になり、ライバルの本田昇が出世していきます。
そんなつらい状況のなか、追い打ちをかけるように、文三と恋愛関係にあった恋人・お勢をライバルの本田に奪われます。
この『浮雲』は職と恋人の両方を失った文三の内面的な苦しみを書いた小説なんです。
『浮雲』はロシア文学をモデルにして作られた
実はこの物語にはモデルが存在します。
二葉亭四迷はロシア文学に造詣が深く、同時代の作家の作品をモデルにしたのでしょう。
言文一致体とは何か?何がすごいのか?
上で解説した『浮雲』の最大の特徴は、口語文(=言文一致)で書かれていることです。
この記事でも何度か使われている単語ですよね。
口語文、言文一致体というのは、「~だ」で終わるような文章のことを指します。現代の小説はほぼすべてこの文体で書かれており、僕たちにとっては口語体なんて当たり前のことですが、当時はとても珍しいものでした。
二葉亭四迷は言語の能力が高かったとみられ、ツルゲーネフなどロシア語の翻訳においても堪能な表現で高い評価を得ています。
まとめ
一度聞いたら忘れない、キャッチーな名前が特徴の二葉亭四迷。
彼は実はロシア小説に通暁しており、また口語文の先駆者としても高名な人物でした。
代表作『浮雲』は、有名な割に実際にはそれほど読まれていない作品ですので、ぜひ読んでみることをおすすめします。(実は、新潮文庫からも出版されています。)
最後に、同時期に活躍し、交流のあった作家「坪内逍遥」について紹介した記事のリンクを張っておきますね!
坪内逍遥とはどんな人?代表作は?写実主義でも有名!
坪内逍遥をご存知でしょうか。
それまでメジャーだった勧善懲悪の話にこだわらず、あるがまままに小説を書く写実主義を提唱し、森鴎外と没理想論争を繰り広げた写実主義の代表格。
彼はまた、シェークスピアの熱心な研究者でもありました。
そんな坪内逍遥の人物像と代表作を、この記事で迫っていきます。
坪内逍遥の提唱した写実主義とは?
写実主義はフランス発祥
写実主義は実はフランスから発展した考え方で、その後すぐにヨーロッパで普及しました。
これは芸術として過剰に思想的になっていた当時の文学に対し、現実に起こっていることをあるがままに書き起こすことを主張した思想です。
坪内逍遥はイギリスで文学について研究していた経験があるので、日本ではまだ浸透していなかった海外の思想をもたらすことができました。
日本における写実主義
写実主義以前の日本文学は勧善懲悪をテーマにしたものが多かったのですが、坪内逍遥はその垣根を壊し、世の中の様子を美化せずに小説を書きました。
また、坪内逍遥のほかに二葉亭四迷も同じ時代の写実主義者として有名です。
森鴎外と「没理想論争」を繰り広げた
坪内逍遥は、自身が創刊した「早稲田文学」という雑誌で、森鴎外と「没理想論争」と呼ばれる文学論争を繰り広げました。
「没理想論争」とは逍遥の写実主義に対する森鴎外の反論です。
森鴎外は浪漫主義作家であり、理想を重視した作家だったのです。
「理想の鴎外vs現実の逍遥」という図式がここに完成したのですね。
シェークスピアの研究者としても高名
先ほど一瞬触れましたが、逍遥はイギリスに文学を学びに留学していました。
シェークスピアの研究をするためです。
日本に帰国した後もシェークスピアの作品の翻訳を手掛け、『沙翁全集』というシェークスピア全集を完成させました。
逍遥は小説のみならず演劇でも活動するなど、シェークスピアの影響は彼の人生にとって決して小さなものではなかったのです。
坪内逍遥の代表作
作家として日本文学史に大きな功績を残した坪内逍遥。
彼の作品を紹介しないことには始まらないでしょう。
先に断っておきますが、彼の作品はそこそこ手に入りにくく、大きな本屋さんでないと置いていない可能性があります。
それだけマニアックとも言えますが、明治の文学史に詳しくなりたい方は読まずには通れないでしょう。
①『小説神髄』:日本初の小説評論
坪内逍遥の代表作で、日本初の小説評論となったのが『小説神髄』。
当時、海外では小説は文化として認められていましたが、日本ではまだまだ発達しているとは言い難い状況でした。漢詩文や和歌と比べて位が低かったのです。
少し前まで趣味としては肩身の狭かったマンガやアニメが近年、社会的に認められて文化として受け入れられたのと同じですね。
その状況を覆そうとして発表されたのが『小説神髄』で、写実主義的思想が詰め込まれており、後半には小説の技法が論じられています。
②『当世書気質』:写実主義を実践した小説
決して有名な本ではないので実際に置いてあるかはわかりませんが、岩波書店から出版されています。(岩波書店は本当になんでもありますね・・・)
これは写実主義にのっとって書かれた小説で、自身の体験をもとに当時の世の中について写実的に書いた小説です。
まとめ
坪内逍遥の作品は他にもあるにはあるのですが、かなりマニアックになってしまうのと、ネットですらなかなか手に入りにくいので割愛しました。小説ではないですが、戯曲『桐一葉』なども代表作に加えてもいいかもしれません。興味のある人は読んでみてください。
今回は坪内逍遥をテーマに、写実主義や文学史など結構学問的な部分に踏み込んだ記事になりました!
簡単にまとめると
- 明治時代の写実主義作家
- イギリスでシェークスピアなどを学んだ
- 思想的には森鴎外と対立、二葉亭四迷と一致
- 翻訳、演劇など幅広い活動
- 代表作は『小説神髄』『当世書気質』
少し難しいですよね。僕も調べながら書いた部分があるのでいい復習になりました。
ちなみにこのあと写実主義は自然主義へと飲み込まれるように変貌を遂げます。
その筆頭となったのが『夜明け前』『破戒』で有名な島崎藤村。
彼についてもまとめた記事があるので読んでみてください。
料理と相性のいい趣味4つ考えてみた
唐突ですが、皆さんに趣味ってありますか?
仕事や子育て以外にやりたいことがあると人生楽しいですし、生きるが楽になりますよね。
で、「趣味」と一口に言っても色々あると思うんですが、定番は
- ジョギング
- 野球観戦
- 読書
- カメラ
- 旅行
などかな?
野球観戦は僕が広島に住んでいるからメジャーなのかも。
僕からおすすめする趣味はズバリ「料理」です。
料理って、テレビやブログなど色々なところでおすすめされている定番中の定番なのですが
- お金があまりかからない
- BBQやキャンプで役に立つ
- 普段の生活の中で楽しめる
- 教養が身につく
といった特徴がある。
お金は食材によってはかかるけど、他の趣味に比べればマシなほう。
また、普段から料理する人であれば毎日楽しめる。(僕も毎日料理を楽しんでいる一人)
最後の「教養が身につく」っていうのはピンとこないかもしれないけど
これらの記事に書いてあるのでぜひ読んでみてください。
さて、前置きが長くなりましたが、今回のテーマは「料理と相性のいい趣味」。
色々な趣味がある中で、料理している人におすすめする趣味をあげてみました。
⑴カメラ、写真は料理と相性のいい趣味
料理って確かに楽しい趣味ではあるんですが、何が悲しいって、食べちゃったら何も残らないところですよね。
せっかく美味しい料理ができた、食材にちょっとこだわってごちそう作ってみた、恋人や家族のために一生懸命作ってみた。
せっかくのイベントなんですから、心のノートの一ページで終わらせないでください。
あるじゃないですか、残す方法が。そう、カメラ。
写真に残せば、「この頃はよく料理を焦がしてたっけ」なんて自分の腕の上達を実感することもできるし、フレンチとか和食とか、料理のジャンルごとにアルバムを編集して楽しんだりできます。
完成した料理の写真だけじゃなく、料理の途中の様子を写真や動画に残しておくのもいいでしょう。youtubeやブログに載せることもできます。
⑵旅行
料理が上達する秘訣の一つは「美味しいものを食べる経験を増やすこと」ですが、旅先で人気店や特産品の食べ物を味わう経験を積むと料理に幅が出ます。
特に日本なら。
幸いなことにこの日本は島国で複数の海域に囲まれているため、同じ臨海県でも魚の味が違ったりします。また、海藻や貝ならさらに違いは大きく、実際に現地で食べた経験は大きな財産になるでしょう。
多くの郷土料理はその土地の風土によって「必然的に」作られた文化であり、保存性を高める必要から漬物ができたり、交通の要所になった地域では様々な要素が絡み合った料理が発展したりと、旅行をすることで料理の必然性、歴史を感じることができます。
たび、おすすめ。
⑶ガーデニング、家庭菜園なども料理と相性のいい趣味
植物を育てる経験は、意外にも料理にいい影響を与えてくれます。
野菜を育てる家庭菜園は当然野菜を深く知ることができ、できた作物をそのまま料理できるというメリットがあります。
野菜でなくとも植物を育てるならばそれはいいことです。
土や日光の加減について知識があると、「料理をする」ことと「人が自然の中で生きる感覚」がリンクして、自然な調理法で美味しい料理ができるようになるはずです。
野菜って、つまるところ植物ですから。
⑷ブログ、youtubeは料理がそのままコンテンツになる
これを実践したのがこのブログです。
「伊崎の快活日記。」、絶賛運営中でございます。
料理をそのままブログやyoutubeにすれば沢山の人に見てもらえるし、アドバイスももらえます。
また、人に見られることを意識すれば料理も自然と上達します。
まとめ
料理は日常生活に活かせますし、恋愛や子育ての上でもおすすめできる趣味です。
しかし、他の趣味と組み合わせることで指数関数的に活躍の場が広がることもあります。
今回取り上げたのは4つだけですが、他にも料理と相性のいい趣味はあると思いますし、もしかしたらあなたが現在続けている趣味が意外にも料理と相性がいいかもしれません。
鮭のアラで石狩鍋を簡単に作って食べる
スーパーに行くと鮭のアラがたくさん入って500円と安かったので、買ってきた。
これをどうやって食べようか思案したが、ここ最近は成人式の帰省ついでに色々食べ歩いて内臓が疲れていたから鍋にする。
さて、鍋といっても色々あり、豆乳鍋、酒かす鍋、塩鍋などまあ何にでも合いそうな気はする。特にこれといった理由もなく、定番の石狩鍋に決めた。
石狩鍋はご存知の通り鮭を使った鍋料理で、ジンギスカンやちゃんちゃん焼きと共に北海道の代表的な郷土料理でもある。
豆腐、ネギ、キャベツ、大根、椎茸などと共に鮭を味噌仕立てに煮立てる和風の料理だが、バターや牛乳などの乳製品を隠し味に入れることも多い。
アスタキサンチンやDHA、EPA、ビタミンを多く含む鮭と多くの野菜を、発酵食品である味噌で煮込んだ石狩鍋は栄養的にも優れており、疲れた体を温めてくれる。
石狩鍋のレシピ
一人鍋なので、材料はシンプルに行くことにする。
食材選び編
鍋物というからにはつい色々な具材を入れたくなるが、あえて食材を少なくし、小鍋仕立てで楽しむのも男の一人暮らしには乙なもの。
今回使うのは
- 鮭のあら
- 大根
- 人参
- ほうれん草
の4つだけ。
冷蔵庫には豆腐もあったが、一人用の鍋にはあれこれ食材を入れられないので断念した。
ほうれん草は本日の影の主役で、大根、人参と根野菜が続いたために、葉野菜を入れる必要があったのだ。
鍋物なので別に食材はなんでもいいが、皆さんが作る際は是非根野菜、葉野菜のほかにキノコなども加えるといいと思う。鮭以外の魚介を加えると風味が変わって、もう別の料理になってしまうが、それも面白いと思う。
下処理編
さて、食材を選び終わったのでいよいよ調理に入る。
下処理に時間のかかるものから順に調理する。
今回買った鮭のアラは既に塩振りしてあったが、もし生鮭などを買った場合には塩を振って30分ほど置いておくとよい。これは下味を付ける意味と、臭み抜きの二つの役割があるから省略しないようにする。
次にほうれん草。アクがあってそのまま使うと鍋にアクが溶け出してしまうのでこれは事前にアクを除く必要がある。しかしお浸しの要領で下茹でしてしまうとせっかくの食感が損なわれてしまうので、茹でるというのも良い方法ではない。
そこで、これを水に放つわけだ。
まず根っこの食べられないところを切り落とし、ボウルに水を張ってじゃぶじゃぶと洗う。ほうれん草の根についている土は蛇口から水を出したまま流水で洗うよりも、ボウルに水を張ってゆすぐように洗ったほうが土の洗い残しが少ない。
洗ったほうれん草はいい大きさに切る。だいたい、根から葉の付け根までと、葉の部分を半分に、で三等分にするとちょうど良い大きさになると思う。
この切ったものを水につけ、10分以上放置する。こうすると、加熱せずにアクを大まかに抜くことができる。
大根と人参は千切りでもいいが、今回は短冊に切る。少し趣向を変えるならおろしてみても面白いだろう。
大根や人参は固いので、よく切れる包丁を使うことが肝心だ。
いい包丁を使うと簡単に切れるから出来上がりが綺麗になるほか、食材の断面がつるんとして味も良くなる。包丁とまな板はいいものを使うようにしたいと、野菜を切る度に思う。
さて、ここまで鮭、ほうれん草、大根、人参の順に下処理が進んだ。
ここで土鍋に出汁用の昆布を放り水を半分くらいまで入れる。
鮭のアラは容器に入れ、お湯を注いで霜降りにする。鮭の表面が白くなったら水に取って鱗や血を流す。これも臭み取りに必要な手順だ。
いよいよ鍋を作る
水と昆布を入れた鍋があるはずだ。
これを火にかけて昆布の出汁を引く。香りが出てきて、出汁用の昆布が大きくなったら取り除く。
鍋に大根、人参、下処理した鮭を入れて弱火で煮る。後でほうれん草も入れるので少し場所を空けておこう。蓋はしてもしなくても良いが、匂いの気になるような食材を入れた場合は蓋を取っておくと匂いがこもるのを防ぐことができる。
鮭にも火が通り、野菜も9割方煮えたら味噌を溶き入れ、空けておいたスペースにほうれん草を入れて蓋をして火を止める。そのまま2分ほど、余熱で火を通すだけに留めると、ほうれん草の食感を殺さずに仕上げることができる。
余談だが、この「余熱で火を通す」というのも土鍋の得意技で、熱伝導のいい雪平鍋などではこうはいかない。あっちもあっちで便利なところはあるのだが。
最後に少しバターを入れると、コクが増してまろやかになる。ただし脂っぽくなるのでこの辺は好みだ。想像だが、北海道のような寒冷地では脂肪は重要なエネルギー源なのだろう。
男一匹、鍋をつつく
こうして石狩鍋が完成した。野菜の下処理等は正直結構な手間かもしれないが、その手間こそ料理の醍醐味。
気分よく鍋をつつこう。
石狩鍋。
— 伊崎の快活日記。 (@isakidiary) 2019年1月7日
最近風邪が流行っているような気がするので栄養つける!
みなさんもお気をつけて😶 pic.twitter.com/hD2cVDIwYC
成人式での旅行を振り返る
一人で鍋を炊き寂しくつつくという、おっさんのような生活をしているこのブログの管理人「伊崎」は実は新成人だ。
こら、そこ驚かない...。
現在は広島に住んでいるが出身は熊本であり、成人式のために一年ぶりに熊本に帰省した。最も前回の帰省は大分の温泉巡りのついでに一瞬友達と飲むだけだったので気分は2年ぶりである。
このブログを見てくださっている皆さんが成人式の日のことを覚えていたら、上のTwitterにでも思い出をリプしてみてほしい。
この記事を読んでいるのが成人式シーズンかは知らないが、思い出というものは振り返る機会がないと脳みそから逃げていくものだから、これを読んでいるのがいつであってもかまわない。
僕の場合は広島を出てから熊本につくまで、佐賀、長崎、博多、とゆっくり観光することができた。
びっくりしたのが佐賀で、観光できるようなところが何もなかったのには閉口した。
佐賀出身の知り合いから何もない、とは聞いてみたものの、「いや、さすがに何かあるだろう」と思っていた自分を恥じたい。
本当に何もなかった。
強いて言えば嬉野温泉や唐戸市場、有田焼などが挙げられるが、そこまで栄えてはいないうえに、それぞれが結構離れているので観光するのに都合が悪い。
あまり観光には向いていないと思う。
でも、住むのにはなかなかいいところらしい。土地が安く、食材も安価で新鮮なものが手に入る。...と、心ばかりのフォローをしておく。
結局、北海道の話なのか佐賀の話なのか分からないまま、この記事を書き上げてしまった。
400字詰め原稿用紙7枚分なのだから、結構書いたと思う。
次回作にご期待ください。
一人暮らし大学生にとって料理が最強の武器になる理由3つ考えてみた。
どうもこんにちは伊崎です。
普段は自己紹介なんてあんまりしないのですが、今回は普遍的な意見というよりも僕の主観というか経験ベースの話になるので、少しだけ自分語りさせてください。
このブログは「伊崎の快活日記。」と言いまして、一人暮らしをしながら自由気ままに食を謳歌する僕のゆる~い料理ブログです。料理して酒呑んでだらだらしている僕を見ながら、皆さんが「お、これうまそうだな、今日のご飯はこれにしよう」とか「伊崎が酒のんでるの見たらなんか一杯やりたくなってきたな」とか、一緒にだらだらしてくれたら幸いです。
そして良ければTwitterなんかをフォローして、かる~くリプとか飛ばしてください。「これ作ってみたよ」でも「コンビニのこのつまみ美味しいよ」でもなんでもいいです。ゆる~い絡みが好きなので。
さて、わたくし伊崎は大学生で一人暮らしの自炊をしている大学生なわけだから、要するに自炊男子、料理男子な大学生なわけですね。
世間的に評価も高まってきたこの料理をする系男子をこの度代表いたしまして、「大学生」が料理男子になるメリットを考えてみましたので発表しま~す(ゆるめ)
メリットっていうとなんか堅いですが、要は「料理できる大学生ってだけでこんないいことあったよ」ってことを語る会です、今日は。
あ、正直
- モテる
- キャンプやBBQなどで頼られる
- 食費浮く
みたいな、どこにでも転がっているような定番の意見は省略します。
一人暮らしも大学生も関係ないし、なにより当たり前すぎて書くことない笑
⑴休日の料理が楽しみになる、充実する
正直な話、平日は忙しくてゆっくり料理する時間もとれず結構簡単な料理をします。
丼ものとか、常備野菜とメイン一品とか。(本当に忙しい時期はスーパーで弁当買ったりしてますがそれは秘密。丁寧に料理作ってるイメージで行こうと思ってるので....)
だから平日は「料理を楽しむ余裕」はあんまりないのですが、休日となると話は別。
アラーム掛けずにゆっくり起きて、朝からオーブンでパン焼いたり、和食なら旅館みたいな焼き魚の朝餉にしたり。コーヒーなんかも淹れたりして。
コーヒー飲みながらのんびり読書なんてしてたら昼の10時くらいになってたりします。起きるのがそもそもゆっくりだしね。そしたら昼ご飯の準備をします。昼はパスタとかピラフとか、安いけど手間かかったりするもの作ります。のんびりね。
日によっておやつにケーキ焼いたり昼寝したり、ランチの後は適当ですが、夕ご飯の食材買い足しに行くのも休日の楽しみの一つ。あえて献立を決めず、その時のお腹の声に任せるつもりで食材を物色します。気合入れて料理した夕ご飯ってのはどうしてこう満足感あるんでしょうかね。
こんな風に、僕は単に節約のために自炊している大学生ではなく、料理が好きで趣味でもあるので、休日は料理が中心の生活になるというか、時間を気にせず料理するという感じ。最近では時短レシピとか流行っていますが、その逆を生きています。楽しんでなんぼ。
本当に人生の質変わります。
⑵世界の真実を見抜く教養が身につく
人間の歴史は食の歴史です、実際。まぁ極論というか暴論に聞こえるかもしれませんが、食は土地を、歴史を、そして人を作ります。持論です。日本人が昔から食べている漬物だって、保存の必要があったから漬物になったわけだし、大航海時代は胡椒を効かせたステーキ食べたいから始まったわけだし、ラーメンは屋台で安く提供でき、味もいいから戦後急速に普及したわけだし。
食の影響って思ったより大きいですよね?人間の三大欲求のうち、関与できる要素が大きいのが食ですから。性欲は交われば満足、睡眠は眠れば満足。食だけが「食べられれば満足」てわけにはいかない。
まあたまに、腹が膨れれば味なんて関係ないって人もいるにはいますが...。
それほど食のもつ力は大きいわけですから、食に対する素養を身につけておけば、至る所で役に立ちます。旅先の名産品から土地の特徴や文化、歴史を推察できたり。そういう力が、ある。
【書評/レビュー】「一汁一菜で良いという提案」って料理本じゃなくて思想本だよ
「一汁一菜でよいという提案」。
度々TVにも出演される著名な料理研究家、土井善晴さんによる料理の在り方を提言する本。
出版されたのは2016年らしく、正直「今さら」感もあったのですが、有名な本ということで読んでみました。
「一汁一菜でよいという提案」はどんな内容なのか?
基本的に、この本の言いたいことはシンプルです。
「普段から気合を入れて豪華なごちそうを作る必要はありません。おかずの種類は少なくても構いませんから、日本人らしく食への敬意と慎ましさのある食事をしましょう」
というシンプルな内容。
そのシンプルさ故、言いたいことは簡潔であり、土井さんの食事への考え方や美意識、大切にすべきことが詰まっています。
それは食事の献立に限定されず、普段の生活のうえでの心がけといいますか、「生き方」が書かれている本だな、という感じ。
この本を読んでみて、「今まで無理して品数確保してきたけど、そんなに無理する必要なかったかもな」って感じた人も多いと思います。ってか、実際にそういうレビューは多い。
「一汁一菜でよいという提案」はどんな人におすすめか?
各所で絶賛されている本書ですが、僕は「この本、万人向けじゃないな」と思いました。
こんなこと言うと「生意気言うな」と言われそうですが、思っちゃったのだから仕方ないよね。
色々な大人に怒られないように注意しながら、その理由を書いてみます。
「一汁一菜でよいという提案」は子育て終わった人や高齢の方にはおすすめ
これまで家族のために食事の支度を頑張ってきたお母さんや、もう仕事などを引退して、精神的にも時間的にも落ち着いた暮らしをしたいといった人が読むと、心が洗われて自然体になれると思います。
そういう人には、この本が本棚にあるだけでも、たまに内容を思い出すきっかけになっていいかも。
というか、年齢を重ねて精神的に落ち着いた暮らしを大事にしたいってまさに土井さんそのものですよね。
土井さんみたいな人や土井さんの価値観に共感する人におすすめです。
逆に子育て真っ盛りという人や一人暮らしの人にはおすすめしない
誤解のないように言っておきますが、この本に書いてあるような「和の暮らし」を重んじることは全然問題じゃありません。
問題なのはこの本のテーマそのもの、「一汁一菜」の方です。
おすすめしない理由は栄養的な偏り
子育て世代の親御さんたちに向けて。
現代であっても、家庭で料理をするのは大体お母さんだと思います。
もしこの文章を読んでいる皆さんが、お父さんが料理をするお家であれば・・・大丈夫かも。
普段の料理を担当するお母さんが「普段の献立は一汁一菜でいいのね。土井さんがいいって言ってるから間違いないわ♪」となってしまうのがまずいんです。
このブログを書いているのは料理好きな男子大学生なのですが、男子って食べますよ。運動部なら多分、女性の三倍くらい食べます。冗談抜きで。女性でもたくさん食べる人は少なくないですね。
そんな時期に一汁一菜だと体がもたないでしょう。一汁一菜なら汁ものにメインが付くのでまだ大丈夫ですが、この本の中には「一汁一菜がおすすめですが、最悪おかずなくても汁ものを具沢山にすればあとはご飯とお新香で行けます」みたいな書かれ方をしていますから。さすがに栄養不足です。
ですので一汁一菜はもう体も成長しきっている大人には大変効果的なのですが、育ち盛りには酷です。絶対やめましょう。
家庭料理の思い出までも質素になってしまう意味でもおすすめしない
みなさん、子供のころに食べていたいわゆる「母の味」「実家のごはん」的なものがあると思います。
ハンバーグとかカレーとか。いやぁ、僕にはあんまりないですけど。
でも子供のころの食生活がその後の味覚を決めるとか聞きますし、できるだけ子供にはいろいろな料理を食べてほしいし、「家庭の味」というものをもって独り立ちしてほしい。
でも、一汁一菜で育った子供には、あまり主菜や副菜の思い出がないのではないでしょうか?味噌汁だけやたらバリエーション豊かって何か悲しい。
だから、毎日一汁三菜とは言わないまでも、そこそこ食べ応えのある献立にしてほしいものです。
そのうえで、子供も独り立ちして、大量のおかずが必要ではなくなった時にこの本を開いてみることをおすすめします。
まとめ
色々書いてみましたが、一番言いたいのは「有名でたくさんの人に読まれてる割に、結構読み手を選ぶ本だよ」ということです。
僕はこの本を読んで、普段の食生活が何か特別変わったとかいうことはないです。ただ普段の食生活を大事にしようとか、和をもった生活をしようとか、考え方に関する部分は共感できました。
ただ単にいい面だけを見るのではなく、功罪ある本だと理解したうえで読むのであれば、おすすめです。